UNCHAINED FEELINGS

途切れない。
この想いは。


神楽。
お前が此処を、旅立って。
もう1年に、なるんだな。

共に『万事屋』の従業員として
働いたあの『ダメガネ』も。
相変わらず、「アイドルオタク」の称号は消えないが。
逞しくなりつつ・・・あると思う。
図に乗りそうだから本人には、絶対に口に出さないけどな。

お前が心底、可愛がっていた定春は。
全く変わりばいせず、人の頭を噛んでくれてますよ〜?

お陰で痛みなんか、慣れちまいましたよ。
慣れってやつあ、恐ろしいなあ?おい。

仕事も嘘の様に、軌道にのって。
今じゃ2日に一遍は、依頼人も来る。
家賃を払えなかった、あの日々が夢みてえ。

一見・・・・順風満帆の様に、思えるけど。

1年前はあんなに・・・・忙しく感じたのに。
今では日々を過ごす時間の流れが、遅く感じる。

・・・落ち着かねえ。

お前がいない事に。

こんなにも、寂しくて。
こんなにも、違和感があって。
一人でいる時の空間が、あまりにも静かすぎて。

物凄く・・・・情けない男だと、思うけど。
神楽。
お前がいないと。
オレって奴は、駄目らしい。

何となしに、それをダメガネに言ってみたら。

「今更気づいたんですか?」と。
小憎らしい、返答をしてくれやがった。

・・・ああ、そうですよ。
今更ですよ。

窓を開けて、空を仰ぐ。
もうこの行為は、既に日課になってしまっていて。
雲間に伸びる、太陽の日差し。

お江戸の空は、今日も晴れ。

この空の先の。
どこかの『惑星(ほし)』にいる、えいりあんはんたー娘へ。

どうか、届いてくれます様に。

帰りを・・・戻って来て欲しいと言う
切な願いと。

アイツに対する、この想いが。

途切れる事は、無いという事を。


小説トップページへ戻る