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右足を引き摺りながら。
一歩・一歩、ゆっくりと。
両手で頭を抱え、悶える神楽に。

「かぐ・・・・・ら」

手を伸ばそうとしたが――――――。
勢い良く、左手を跳ね除けられ。

――――――瞬間。

右足で床を蹴り、高々と跳躍をする。

「う・・・・あああああああああああああああ!」

叫びに近い声を上げて。
一心不乱に。
オレに向かって、刀を振り下ろそうとしていた。

もう。
・・・・抵抗する、力も。
残っていない。

ごめんな、神楽。
お前を止めて、やれなくて。

結局。
――――――苦しめる、形になったよな。

お前が望んだ通りに。
『神楽』のまま、逝かせてやれば良かったのか?

でも・・・・やっぱり。
オレには、出来ねえよ。

どんなに望まれても、お前に手を掛けれない。

神楽の姿が、眼前近くになった時。

―――――――オレは、静かに両目を瞑った。



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