―――――もうすぐ、貴方に逢える。
あなたに会いたくて
もう、乗り慣れた銀河船。
『えいりあんはんたー』の肩書きを持つ、私にとって必要不可欠の交通手段だ。
一つの依頼を遣り遂げては、直ぐ様依頼が飛び込んでくる。
最初は『初心者』扱いされ、常にパピーと行動していたが。
近頃では信頼されたのか、一人で任される様になった。
・・・・とは言っても。彼の請け負う依頼は、尋常では無い数の為。
正直私の傍にいては、消化スピードも遅くなる・・・・・と言った所だろう。
でもパピーは私に、笑みを浮かべて。
『お前は一人前の、エイリアンハンターだ』と、何度も言葉にしてくれる。
それが今の私の、自信に繋がっているのも事実だ。
先刻片付けた依頼も、ものの数分で終わり。
依頼主から報酬を受け――――銀河船に乗り込み、とある場所に向かっている。
肘掛に右腕を乗せ、透明な壁越しから望む――――真っ暗な風景。
時には岩石の様な物体が、暗闇の中を無数に散らばっている光景も見られた。
――――あの頃・・・・目にした景色とは、全くの別物。
私がまだ、『地球』と言う惑星にいた頃。
其処には緑があって、透明な水があって。
頭上には目の覚める様な青と白があって、輝く金色があった。
そう思えば――――この眼前に、広がる殺風景な景色とは。
「月と、すっぽんアルナ」と、思わず唇の両端が上がる。
殺風景が嫌なら、視線を移動させれば良いのだけど。
いずれこの2つの瞳に映し出されるだろう、『青の惑星』が現れるのを。
今か今かと、待ち続けている。
だって、其処には。
大好きな人達や、腐れ縁の奴等が―――――いるから。
メガネを掛けたアイドルオタク。
愛して止まない白い巨大犬。
私が尊敬しているメガネオタクのお姉さん。
いつも煙草を吹かして家賃を請求する大家。
天敵である猫耳の従業員。
人間よりも人間らしいカラクリ人形。
まるでだめなオッサン。
長髪のカツラを被る優男。
そのペットである謎の生物。
局長の肩書きを持つゴリラ。
ニコチンマヨラー男。
ドS王子。
地味な監察士。
・・・・・と数え上げれば、キリがない。
―――――そして。
重力に逆らい、自由奔放に生えている銀色の髪。
死んだ魚の様な目。
糖尿病一歩手前・週刊少年ジャンプをこよなく愛し。
己の侍道を、真っ直ぐ突き進む―――――男。
私に初めて、『好き』の感情を与えてくれた人。
その人達に、もう一度逢う為に・・・・私は『地球』へ旅立った。
視界前方に、うっすらと小さい惑星らしきモノが映り。
同時に船内アナウンスが流れ出し、『青き惑星・地球』ついて語り出す。
「・・・・・もうすぐアル」
懐かしい顔ぶれ達が、脳裏に浮かんでは消えていく。
皆・・・・・変わっただろうか?
突然の来訪だから、驚くかも知れない。
――――皆に、逢いたいのもあるけれど。
「・・・・・・・」
再び銀髪の男の顔が、脳裏に浮上した。
何よりも。
一番に――――貴方に逢いたくて。
だから・・・・待っててネ。
※記念すべきドリカムのデビュー曲「あなたに会いたくて」のタイトルで小説を書いてみました。
ですが、実際この歌って失恋の切ない歌なんですよね〜。
幾度となく聞いた曲ですが、良いものややっぱり良い!!ドリカムは最高です(>▽<)b