――――君のいない、人生なんて。

生きる意味が無いのと、一緒なんだ。







『ねえ、銀ちゃん。もしタイム・マシンがあったら。何時・何処の時代に行きたいアル?』

『はあ?―――――訳分からん質問、して来やがって。まあた本かテレビで、影響されたってかあ?』

『良いから!答えろヨ』

『――――んなモン。現実に無えんだから、行き様がねえだろが』

『・・・・全く。つまらない、男アルナ。――――たまには。その死んだ魚の様な瞳を、輝かせながら。
『夢』くらい、語ってみろヨ。だから、女にモテないネ。女ってのは多少なり『夢』を担いで生きてる男の方が、魅力に感じるものヨ。そのままだと、一生一人モンで。寂しく墓に、入る事になるアル』

『余計なお世話だあああ!お前みたいなガキに、オレの人生論を語って欲しくないんデスケド!?』

『まあそんな事は、どうでも良いとして。何処に、行きたいアル?』

『ちょっ・・・・どうでも、良いって。オレの人生、どうでも良いって。何この、粗末感。
お前にとって、オレはその程度の存在なんか』

『ほれ、とっとと答えろヨ』

『――――そういうお前は。何処に行きたいんだよ』

『――――そうアルナ。私は――――』






・・・・以前。何時ぞやに。こんな会話をした事を、思い出した。

『タイム・マシン』。

未来にも、過去にも行き来――――出来るという。

それこそ絵空事で、空想の『産物』。

遥か彼方――――の先に、生まれているかも知れない『産物』。

・・・・・そう。今現在には、存在しないモノ。






『未来に行きたいアル。銀ちゃんと一緒にいる、自分を見てみたいネ』

『・・・・え゙!?不穏な発言を、耳にしたちゃったんですけど。今の、空耳だよね?幻聴だよね?誰か嘘だと、言って!』

『幻聴でも、空耳でもねえヨ。私、銀ちゃんの傍で。一生寄生してやるって。心に決めたネ』

『一生って・・・・寄生って。このままパラサイト・ライフするつもり!?どんだけ、依存しまくりなの?この()
オレの人権、剥奪!?拒否権はあ!?』

『んなモン、ある訳ねえだロ?覚悟するヨロシ』





――――未来に行きたいって。オレと一緒にいる、自分を見てみたいって。

笑顔を浮かべながら、そんな言葉を口から出していたのに。

・・・・じゃあ。今、オレの前にいる。お前は一体、何なんだ?

身体を乾いた地面の上に、横たわらせて。

白い陶磁の様な肌も、尋常じゃ無い程・・・・青白く変わっていて。

土煙が濛々と立ち上がる中、周囲からは幾多の罵声・怒声や叫び声・・・・悲鳴が聞こえ。

・・・・・そこら中で、刃と刃が交差する金属音が聞こえて来る。


頭痛がするくらい、鼓膜が破れそうな程に騒がしい筈なのに。





何で。一寸足りとも動かないんだよ?

何で。両目を、閉じたままなんだよ?

何で。こんなに身体が、冷たくなってるんだよ?

何で。口から、赤い糸を引いてるんだよ?





有り得ないだろ?お前が、死んでるなんて。

天と地が、ひっくり返ったって―――――マジで有り得ねえよ。






なあ、動けって。両目を開いて、態勢を立て直せよ。

『宇宙最強最悪の傭兵民族』の肩書きは、伊達じゃねえ筈だろう?

万事屋の中でも、お前が一番強いじゃねえか。

「・・・・・・・・」

オレに一生寄生するつもりだと、啖呵を切った―――――お前は何処に行った?

覚悟しとけと、意地の悪い笑みを浮かべた――――お前は、何処に?

起きろ。起きろよ、神楽。

こんな所で、寝てる場合じゃねえだろ?

あの会話の中でも言った様に、未来でも・・・・オレの傍にいるって言ったろ?

――――此処で起きなくちゃあ、実現しねえじゃん。






『過去』に、なっちまうじゃねえか。

――――お前の、存在自体が。





『私が先に答えて、どうするネ!質問したのは、こっちが先ダロ!』

『あ〜・・・・?タイム・マシンねえ・・・・』

『過去に戻りたいとか、未来を知りたいとか。何か無いノ?』

『んな事言われて、すぐ様思いつくかよ。パチンコで、大勝したその時とか?』

『・・・・全くロマンも、へったくれも無い男アル』






―――――ああ。そうだな。

今なら切実に、『過去』に戻りたいって思う。

こんな殺伐とした、現実から逃れたい。

平穏に暮らして来た、『万事屋』の日々へ。

目まぐるしくも、愛しかったあの日常へ。

・・・・もう一度、戻りたい。

「――――戻りてえよ。神楽」

だって。お前が、いない。






喜怒哀楽を宿した、表情も。

鈴の様な、高い声も。

軽やかに動いていた、その身体も。

拝む事は、出来ない。

生きていた証、全てが。




オレの前で―――――奪われてしまった。






言葉で表すには、物凄く難しいけれど。

何よりも、何よりも・・・・両手に余る程の『大切な存在』で。

それが―――――無になるとは、思いもしなかった。考えられなかった。

何と、無力なのだろうか?この両手は。

大切な人達を護りたいと、己の侍道を突っ走って来た―――その様がこれか。

笑わせるなよ、銀時。お前は、護れていないじゃないか。

護るどころか、護られて。・・・・・オレの所為で、コイツは息絶えた。

それは。否定しようの無い、事実。

ああ。まるで、世界の終わりが来た様に。

視界は闇に遮られ、意識は『無』の世界へと堕ちていく。

――――知らなかった。

与えられた『光』を、失う世界って言うのは。

こんなにも、『真っ暗闇』になるものなのか。

「・・・・・・・」




ああ―――――そうか。ならばオレが、『光の根源』を見つけに行けば良い。




自ら『未来』へと、旅立てば良い。

――――そうと決まれば、後は簡単じゃねえか。

待っていてくれ、神楽。

『タイム・マシン』は、存在しないけれど。

お前の元へと、赴く事は出来る。

――――何時其処へと辿り着くかは、予想付かないが。

永めの『時間旅行』に、身を委ねるから。

オレがお前の元へと辿り着いた時には、いつも向けてくれていた笑顔と言葉で。

『お帰り』と。







どうか、出迎えてくれ。





時間旅行







※・・・・・・申し訳ありません!先に謝ります!苦情等はご最もなのですが、どうぞお許し下さいませ!
管理人は、本当に銀神を愛しておりますので!
前作に続いて、救い様の無い・・・・どえらく暗い話になってしまいました。
何で神楽ちゃんが、死んでるの?とか。時代背景設定が意味不明なんだけど?とか。
疑問が大量にあると思われます。というか、書いてた本人でさえ、『???』でございましたので。←ダメじゃねえか。
いや・・・・いつも拙宅では、神楽ちゃんに悲しい思いを(?)させてる事が多いので。なら銀さんもたまにはどうよ?
的なノリで書いてしまいまして(- -;)大切な存在が、息絶えてしまった衝動で。
銀さん、ちょっと所か。大分壊れると言う(汗)←後追い願望・・・・やっちまったよ、これ(T▽T)
つうか・・・・ドリカムの『時間旅行』って、可愛くて・前向きで・明るい歌なのに。もう本当・・・・申し訳ありません!やはりスランプなのか・・・orz


次回のドリカムで銀神では、失敗しない様に頑張ります!次回作は4rdアルバム「MILLION KISSES」でございます。
この様な駄文に目を通して下さり、真に有難うございました。


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