貴方にしか聞こえない
この言葉が
聞こえていますか?
新八が買い物に行くと、『万事屋』を後にし。
居間にいるのは、私と銀ちゃんだけ。
テレビもついてなく。
ただ単に、時間を持て余している。
今日も依頼は、来ないだろう。
『大江戸新聞』の記事に目を滑らすも。
すべてうわの空になる。
・・・なんてことない、いつも通りの空間だった。
今までは。
銀ちゃんと二人きりになったからって。
こんなに心臓がうるさくて。
鼓動が耳まで響いてくるなんて事。
なかったのに。
私の心臓をうるさくさせる、当の本人は。
ソファに寝転びながら、愛読書の『ジャンプ』を呼んでる。
だらしない格好で、時たま鼻を穿る男。
どうして?とか。
何で?とか。
理由なんて、全く分からない。
ただ、気づいていたら。
銀ちゃんが、好きだったのだ。
おそらく一番一緒にいて、一番近くにいる存在。
静かな空間。
この鼓動音が聞こえてしまいそうな程の。
目の前の男に、聞かれてしまうんじゃないかって。
そっと右手を、自分の胸の上にのせて。
深く息を吸い。
声にできない言葉を。
銀色の天パ男に、向けて。
吸い込んだ息を、吐き出した。
『 』
この声はきっと、貴方にしか聞こえない。
※最初の銀神小説です・・・・が。
神楽ちゃんの独白になってしまいました。
彼女のキャラじゃないと、理解はしてるのですが。
思わずこんな神楽ちゃんも見てみたいと思いまして。
この様な駄文に目を通して下さり、真に有難うございました。