気付かれては、ならない。

――――胸中に咲いた・・・・花を。

硝子の花



どうして、私は『天人』で。彼は、『人間』なのだろう?

どうして、私は『ガキ』で。彼は、『大人』なのだろう?

どんなに焦って、追いつこうとしても。

年齢差が、埋まる事も無く・・・・お互いの人種が、変わる事も無い。

私がどんなに望んでも、銀髪の男は――――私を、見てくれる事は無い。

『異性』としても、『恋愛対象』としても。

――――自分は、蚊帳の外だという事も・・・・知ってる。

けれど・・・・私は、『坂田銀時』という男を。

『好き』に、なってしまった。

今まで彼に向けていた、『友愛』を込めた感情では無くて。

『異性』に対しての、感情――――初めての『好き』の気持ち。

――――男の姿が、視界映っただけで。

――――男の声が、耳の中の鼓膜へと届くだけで。

――――男の指が、私に触れるだけで。

――――男の香りが、私の鼻腔を擽るだけで。

私は――――幸せを、感じる事が出来るのだ。

だから決して、振り向いてくれなくても・・・・・良い。

ただ・・・・ただ。私はあの男の、景色の一部になれれば・・・・それで。

同じ時代に、こうして巡り逢えた奇跡に感謝している。

だけど・・・・気付いて。

・・・・・誰よりも、貴方を見つめているという事を。

私は――――永遠に、貴方に『好き』とは言わない。

想いを隠し続ける事で、傍にいられるならば・・・・私は口を、閉ざしていよう。

その代わり、この胸に宿った・・・・『硝子の花』は。

永遠に、枯れる事は無い。

ずっと、咲き誇る―――貴方への想いと、共に。

・・・・・けれど、儚くて――――想いを封じた、悲しい花。

――――どうか、この花が。

崩れる事が、無い様に・・・・散ってしまわぬ様に。




この想いと共に、いつまでも綺麗に咲いていて。



※今回は神楽ちゃんの独白、シリアス路線で。
某深夜アニメのEDタイトルから、お借りした題名なんですけれども。
実際銀さんが好きになって、けど相手からはそんな風に見られないと知ったら。
彼女はきっと笑顔で接しながらも、想いを告げる事は無いんだろうなあ・・・・・と
勝手に妄想して、一気に書いてしまったんですけれども。
いつか本誌でも、銀さんが神楽ちゃんの魅力に気付いてくれる事を切に願います。
つうか・・・・・・離さないで、捕まえておけええええ!←うるさい。
この様な駄文に目を通して下さり、真に有難うございました。


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