LOVE AFFIAIR 後編



月も出ていない暗闇の空と海を、数秒おきに灯台の光が交互に照らし出す。
その一筋の光の中には、未だに波打ち際で遊んでいる神楽も映った。
煌々とした光が、服から露出されている部分を白く浮かばせる。

・・・・・ホント、白い肌してやがんなあ。
体質の所為ってのも、あるんだろうが。
――――まあ他では・・・また違った一面が、見れるんだけどな。

「せんせ!」

何て不埒な事を考えつつ、至福の一服を味わっていたら。
甲高い声が聞こえて、我に返る。

「?」

突然神楽が傍にやって来て、両手を差し出し。
オレの右腕を取り、立ち上がらせようとする。
残り少ない煙草を携帯灰皿で、揉み消しながら立ち上がり。

「何だよ?」

「気付いてました?此処私達、二人だけですよ」

「――――――――」

なるほど視線を巡らせれば、オレ等の他だ〜れもいやしねえ。
穴場スポットって奴か。

気付けば腕を取られて、そのまま波打ち際に連れて行かれている・・・・・。
――――おいおい。嫌な予感するんデスケド?

前を向いていた神楽が、こちらを振り返り。
『にやり』と言った擬音が似合いそうな、笑い顔を浮かべていた。

―――――予感的中。

「――――おいっ!ちょ――――まっ」

時既に遅し・・・・・オレは漆黒の海の中へと、放り出される。
顔面から塩辛い水に、直撃―――――。

咄嗟に起き上がり、口に入った海水を吐き出す。
お陰様で、全身がずぶ濡れだ。

「―――――ぺっ!・・・・神楽!てんめ、何すん――――」

抗議をしようとしたら、第二の水飛沫が頭上から襲って来た。
眼前にいる少女は、両手で海水をこれでもかと掬うと。
笑いながら、それを被せて来る。

「あっはは!先生、水も滴る良い男!」

「――――――――――」

良く見れば・・・・・神楽も、ずぶ濡れだった。
髪からは途切れる事の無い雫が、落ちては海に消えていく。
華奢な身体が海面を飛び跳ねては、幾つかの水滴を舞わせた。


――――んとにまあ、楽しそうな顔しやがって。
怒る気さえ失せたオレは、海水で濡れ多少は大人しくなった髪を掻き上げる。


「ば〜か。前から言ってるだろが。オレはすこぶる良い男だって」

「ハイハイ。良い男、良い男〜」

「てんめっ。適当に、流すんじゃねえって・・・・の!」

唇の片端を上げて。
咄嗟に右腕を引き寄せれば、驚いた神楽の奇声が上がる。

―――――が・・・・・無視して小さな身体を、両腕に閉じ込めれば。

愛しいと思う気持ちが、瞬時に湧き上がって来て。

一秒足りとも離したくないと、身体中が叫び抱き締めた腕に力が篭った。

濡れた衣服から、お互いの体温が伝わって来る。
そっと・・・・自分の背中に回された、二本の腕。

漣の音を、BGMにしながら――――
両目を閉じ、自然と互いに唇を重ね合わせる。

今この瞬間の、オレ達を見ているのは。
海風と輝きを放つ星達――――そして、背後に聳える灯台の明かりだけ。



此処から先は、神様にも。

ばれてはいけない、秘密のデート。






※いずれこの続きは「地下世界」にて、UPするかも知れません。←あくまでも予定。
・・・・・が、何せ気まぐれ野郎のマイペース野郎なので。←性質悪ィな。
どうぞ大目に見てやって下さいませ。

にしても・・・・最後の言葉、意味不明になったあ・・・・ORZ
この様な駄文に目を通して下さり、真に有難うございました。

背景素材は 管理人雪姫様が運営されている 『NEO HIMEISM』様よりお借りしました。



アドレス: http://neo-himeism.net/


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