CAN‘T TAKE MY EYES OFF OF YOU 後編
顔が近づき。
少しずれた、瓶底眼鏡から。
2つの蒼い瞳が現れ。
オレの姿を、映している。
「・・・・・・・・」
真剣な表情。
真っ直ぐオレを見つめる、碧眼。
視線を逸らそうにも、金縛りにあった様に。
全身硬直状態。
鼓動は高鳴り。
背中に一筋の、汗が流れたのが分かる。
こんなオレの、様子を他所に。
神楽は、にこりと微笑んで。
勢いよく立ち上がり。
スカートを軽く叩くと。
「言っとくけど。冗談じゃないからね?ホントの気持ち」
それだけ言うと、扉まで歩き。
ドアノブに、手を伸ばす。
思い出した様に、肩越しから振り返り。
「現国の授業、皆待ってますから。早く来て下さいヨ、先生」
扉を開けて、姿を消す。
「――――――――」
火も消え、縮んだタバコを。
咥えたまま、動けずに。
言われた『言葉』を、反芻する。
『先生の事が好きだから』
同時に脳裏に浮かぶのは。
アイツの顔と、2つの瞳。
途端。
鼓動がヒート・アップ。
「いやいやいや。落ち着け、オレ。・・・て、言うかさ。
どうしてアイツ、あんなにサラッとしてんだ?
普通、照れたりするもんじゃねえ?その前に・・・・何でオレの方が、こんなに焦ってんの?」
独り言を、早口で捲くし立てながら。
とりあえず、気持ちを静めようと。
白衣のポケットに忍ばせてある、タバコを取り出そうとしたが。
「―――――ぬあっ!?」
手が滑り、残り少ない貴重な本数が。
バラバラとコンクリの床に、着地した。
乱雑に、天パの頭を掻き毟り。
「・・・・あ〜あ。此処でいちゃつく奴等の邪魔――――出来なくなりそうだな・・・・」
どんなに頭で、否定しようとしても。
感情って奴は。
理屈で済まされる程、簡単なモノではないらしい。
・・・・参った。
同じ年齢層なら、ともかく。
年下の・・・・よりによって、てめえの教え子からの告白に。
動揺しつつも。
嬉しいと、感じているなんて。
「つうか・・・・あれは、反則だろ」
あんな表情で。
あんな綺麗な瞳で、見つめられ。
何も感じない野郎がいたら、お目に掛かりたい。
「―――――授業どろこじゃ、ねえよ」
戻って、教壇に立った所で。
頭ん中が、こんなんじゃ。
ロクな授業に、なりゃしない。
コンクリの床に、散らばったタバコの1本を。
右手で取り、フィルター部分に軽く息を掛けて。
咥え込んで、火を点した。
・・・・これが吸い終わったら、クラスに行くか。
少しでも、落ち着きを取り戻しておこう。
頭上を見れば。
神楽と同じ瞳の色をした、蒼空が視界に入り。
「――――――『禁断の恋』かあ・・・・」
ぽつり、呟く。
まさか。
自分自身がなるとは、思わんかった。
―――――――が。
オレの脳裏に、アイツがインプットされた時点で。
・・・・もう既に、手遅れらしい。
思わず、苦笑いを浮かべる。
「・・・・あの瞳に、やられた」
『君の瞳に恋してる』
※銀神3−Z設定。
神楽ちゃんの真剣な告白に。
とまどい焦りつつも、嬉しがる銀八先生を書いてみたかったので。
書いてしまいした。←9割方、開き直り入ってます。
内容が意味不明で、申し訳ありません。
この様な駄文に目を通して下さり、真に有難うございました。
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