AIR MAIL 後編



返事を出してみようかと、考えたが。
こういう時に限って。

『教師』と言う、仕事が忙しくなり。

とくにやっかいなのが。
『中間』・『期末』試験・『進路相談』・『年中行事』等。

帰り途中店先で、『AIR MAIL』専用の。
封筒を購入しつつも。

たまの休日、疲れも溜まり。
便箋を取り出し、文章を綴る時間など。
取る気さえ起きず、結局そのまま。

「あ〜・・やってらんねえ」なんて。
無意識に、愚痴を零した事もあった。




・・・・・が。月日は流れ――――――今。

アイツから送られて来た、手紙の内容を
何度も、読み返しながら。
紫煙を、部屋へと吐き出し。

手にした、『AIR MAIL』を。
『いつもの場所』へと、持っていき。

引出しを開けて。
二年分の束になった手紙を、視界に入れて呟いた。

この『手紙』も。

「今日で、終い・・・・か」

――――――書かれていた、中身は。

日本で就職をする事を、親に認めさせたと言う事と。
いつもの様に、想いを綴った言葉や。
『恋人』が出来たんじゃないかとの、不安を交えた文面。

思わず、苦笑せざるを得ない。

「そんな心配、いらねえっての」と、つい突っ込み。
オレがどんな男か、良く知ってるだろーが。


『先生がもし独り身で。私の気持ちを、受け入れてくれるなら』

『今週の土曜日、午後4時頃。空港のロビーに来て下さい』

『来なかったら、すっぱり諦めます。・・・・でも』

そして。
いつも文章の最後に、書かれていた言葉。


『会いたいです』



便箋を、封筒に入れて。

「・・・・・・」

カレンダーを確認すると。
指定して来た、日付は明後日。

開けていた引き出しを、右手で閉まって。
高校から、空港までの道程を。
頭の中で、確認する。

・・・・授業が、終わったら。

「速攻で、向かうしかねえな」

二年も経ってるから。
アイツの風貌が、変わってたりして。
ひょっとしたら、気付かないかも知れない。

・・・・それは、それでマズイか。

いやあ、待てよ?
思いの他・・・・変わってねえかも、知れない。

どちらにしろ。

オレが出迎えた時の、神楽の反応が。
目に浮かぶ様で。
思わず、顔が綻んでしまった。





――――
3日後―――――


HRを終え。
職員室で帰り支度し。
捕まらない様足早に、駐車場に向かう。

つい最近購入した
何十年と残ってるローンの愛車に。
颯爽と、乗り込んで。

鍵を回し、エンジンを吹かす。

市道から、高速に入り。
車窓から流れる景色を、横目にし。



国際空港へと、向かいながら。
現時刻を、確認。
車内のデジタル時計は、午後2時半を過ぎた所。

ハンドルを握り締め。
空高く飛行する、航空機に便乗し
来日して来る一人の女に、思いを馳せて。

「―――――何て言って、出迎えてやっかなあ」

アクセルを踏み込み、ぽつり呟く。

「まあ・・・・会ってからで、良いか」

とりあえずは。

二年ぶりの。
元教え子の、顔を見るとしようか。


全ては―――――そこから。





※卒業後の二人を書いてみたかっただけなんですが。
物語の無理矢理感が・・・・・・・ORZ
・・・・・すみません。
文才の神様―――どうか、降臨して下さい。←拒否されるだろ。
この様な駄文に目を通して下さり、真に有難うございました。

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