SURFACE & REVERS 前編
かぶき町の大通りを抜けて。
一歩裏道へと入れば。
喧騒もネオンも無い、雑居ビル群が立ち並び。
とあるビルの前で。
黒塗りの高級車に、ブレーキが掛かる。
運転手は急いで、自席のドアを開け。
後部座席のドアに回り。
「着きました」と、声を掛けながら。
一礼して、降車を促す。
「有難う」
私は礼を言って、車から降り。
雑居ビル内に、足を踏み入れた。
エレベータに乗り込み、目的階数のボタンを押す。
こんな『組織』を組んでると、当然命も危なくなって来る。
でもこのビルは。
駅からもかぶき町からも、遠くなく。
『死角』の位置にあると言う事で、最近購入したばかり。
軽快な音を立てて、扉が開き。
私の姿を見た、スーツ姿の2人の側近。
「お帰りなさいませ」
深々と頭を下げて。
立ち塞いでいたドアの前から離れ、両脇へと移動する。
「ご苦労様」と労いの声を掛け、室内に入ろうとしたら。
「ボス・・・」
左側に立っていた側近の一人が、決まり悪げに声を掛けて来る。
私は軽く溜息をついて。
「―――分かったわ」
それだけ言うと、ドアノブを回した。
鍵なんか掛かってる筈が無いから。
案の定、ドアはいとも簡単に開いた。
理由は。
「―――よお。お帰り」
金色の天然パーマの男が、両腕を頭の後ろで組み。
机の上に両足を乗っけて、静かに笑みを浮かべている。
・・・この男が、此処に来ているから。
私はコートを衣文掛けに、掛けて。
偉そうに、踏ん反り返っている男の傍に近寄り。
両腕を組んで、軽く睨む。
「此処に来ないでって、何度も言ってるわよね?あなたのその耳は、飾りなのかしら?」
冷たく言い放っても、皮肉を言ってみても。
この男には、暖簾に腕押し。
「そんな冷てえ事言うなって」
私に対して、こんな態度取る奴は。
この男だけ。
※銀魂パロディの「金魂」設定小説です。
正直に申しますと、「ホスト」と言う職業は全く無知&皆無でございます。
なので書かれてる内容にも、ズレが生じてくると思われますので。
どうぞお許し下さいませ。
背景素材は 管理人雪姫様が運営されている 『NEO HIMEISM』様よりお借りしました。
アドレス: http://neo-himeism.net/