気でも触れたとしか、思えない。
私を止めてくれるんじゃナイノ?
「まともに闘り合って勝てるとは、オレだって思わねえよ。『宇宙最強戦闘種族』であるお前に」
「・・・・・・」
やめて・・・やめてヨ。
銀ちゃんの言葉に――――どす黒い感情が。
徐々に湧き上がって来る。
『もっと血を』と。
―――――・・・・支配され・・・・そう。
「とめ・・・・・・止めてヨ!覚醒する前に!」
視界が霞んでいく・・・・・。
思い切り頭を左右に振って。
意識を保とうと、必死に。
「お前を・・・『こっち』に戻したいだけなのに。
なあ?どうすれば、お前は戻ってくれるんだよ?殺す以外路はないだと?
はっ・・・・そんなの、ご免こうむらあ」
聞き慣れた声も・・・・・微かにしか聞こえなくなってる。
焦りが生じる中で。
自分の足元に転がっている、刀を咄嗟に拾い。
「――――――――」
銀髪のマダオ侍に、放り投げる。
「――――――?」
条件反射で刀を受け取り、銀ちゃんはこちらを見た。
「・・・・神楽。てめえ、どういうつもりだ?」
滅多に拝めない、鋭い眼光。
「無抵抗の人間に攻撃仕掛けるなんて。『宇宙最強戦闘種族』の名折れアル」
・・・・・銀ちゃん、もう理解してるんデショ?
私が『戻る』なんて、無いことを。
――――――きっと・・・きっとネ?最初に出逢った時から――――。
私達が育んで来た、『時間』も『絆』も全て――――。
『壊れる運命』だったのかも知れない。
右足を蹴り――――――銀色の天然パ−マの頭上目掛け、番傘を振り上げ。
勢い良く下ろせば・・・・無機質な音が、城内に響く。
男はギリギリの所で、番傘を刀で受け止めていた。
・・・・そう。それで良いんだヨ、銀ちゃん。