――――――元々『強い』って。

真選組の看板を背負う、随一の剣使いだって分かってけど。
・・・・・きっと、神楽の剣の餌食になる。

頼むから・・・・もうこれ以上、コイツの手を。
紅く染めさせないでくれ。

オレを見つめる神楽は―――――。

『大飯喰らい』でも『酢昆布娘』でも『ただのクソガキ』でもなく。
『戦闘』と『血』を求める、『夜兎族』。

持っていた刀を、神楽に向けて。

『手を出せない』とか『闘いたくない』とか・・・・もうそんな『甘い』事は言ってられない。

「――――――終わりに、しようじゃねえか」

この言葉に――――神楽が、微笑んだ気がした。




散々攻撃を、繰り出した為に・・・・・城内は、壊滅状態。
天井からパラパラと、瓦礫が落ちてくる始末。
長居をしていたら、いつ崩壊するかも分からない。

沖田君の傍にいつのまにか、土方が来ていた。
一番隊組長はオレに対して、多少恨みがましい視線を送って来たが。
室内の隅へ、と避難した様だ。

それを横目で確認すると、神楽に視線を戻す。

・・・・まさか―――――こんな日が、来るなんて。
誰が想像していただろう?

初めてオレから、先手を打った。

未だに甘いかも知れないが。
せめて。
・・・・・・気絶させる事が出来れば。

右足で地面を蹴り、刃を薙ぎ払う。
が・・・・・・神楽は軽々跳躍し、俊敏な動作で刀を振る。

右脇腹に焼けた様な痛みが、一瞬走った。

「―――――!?」

掠ったか・・・・・!?
一瞬の隙を、生んでしまい。

―――――――次の瞬間。

肩に神楽が振り下ろした刀の刃が―――――食い込む感触。




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