突然の私の行動に、因縁を付けた天人達は驚いていたが。

そよちゃんの護衛達を無視し、罵声を浴びせ一斉にこちらに突っかかって来た。

―――――が、その数秒後。

奴等は地面と仲良く顔面キスする羽目となり、白目を向け口から泡を吐く。

両手で軽く衣類を叩き、改めて4年越しの友人と対面を果たす。

「怪我は無いアルカ?そよちゃん」

ほっと安堵した表情を浮かべて、「はい」と頷く。

周囲にいた彼等は、今度は私に刃を向けると「何者だ!?」と声を荒げた。

この行動に眉間に皺が寄ったが、傍にいた彼女が制止の声を出す。

「待って下さい!この方は、私の大切な友人です。どうぞ刀を納めて」

姫君の言葉に躊躇しながらも、渋々刀を納めていく護衛達。

―――――と、その時だった。

前方から回転する赤ランプと共に、サイレンを鳴らした白黒の車が向かって来たのは。

左右にでかでかとロゴの入った、パトカーを見て悪い意味で鼓動が早まる。

―――――あれ・・・・は、真選組!?

腐れとは言えども、銀ちゃんと縁のある奴等だ。

折角顔も合わさず、万事屋を後にしたと言うのに。

今は出来るだけ、顔見知りには会いたくない。

何処か隠れる場所は無いかと、首を忙しく動かしていたら。

「女王さん」と腕を突然引っ張られ、籠の中へと押し込まれる。

・・・・・え?そよ・・・・ちゃん?

籠の外では、聞き覚えのある声が――――どんどん近づいて来ていた。

「そよ様!ご無事でしたか!通報を受けた時には、心臓が縮みましたよ。
だから我々真選組に、護衛を任せて頂ければ良かったのに」

―――――ゴリ・・・・真選組局長自らの、お出ましか。

「わざわざ来て頂いて申し訳ありません、局長さん。
まさか、こんな事になるなんて思いませんでしたので。でも、もう大丈夫ですから」

「いけません。貴女は、徳川茂茂公の大事な妹君。もしまた何かあったら、それこそ一大事です。
この先は不肖ながら、近藤勲が先導を務めさせて頂きます。
――――おい!気絶してるこいつ等を捕縛して、署に連れて行け!」

部下に指示を出し終えたゴリは、籠のすぐ近くまで来ていた。

「では、参りましょう」との声と共に、下ろされていた御簾が上げられようとしている。

――――――マズイ・・・・・!

「有難うございます。でも私、たまには歩いてみたいんです。良いでしょ?」

そよちゃん・・・・もしかして、匿ってくれてる?

そんな彼女の言葉に必死で説得しようとする、ゴリの声が頭上に聞こえていた。



→NEXT

←BACK

小説トップページへ戻る