―――――安静にしていてから、3日後。
痛んでいた複数の傷も、大分和らいで――――身体を動かせるくらいにまで回復していた。
『当分は地球に、立ち寄るつもりはねえぞ?それでも良いんだな?』
昨夜言われたパピーの言葉が、脳の中でリフレインする。
・・・・地球には、戻って来れない。
それでも――――私は、あの禿げ親父と一緒に行く事を決めたのだ。
自分で選んだ道・・・・・後悔はしない。
―――――今・・・・私は。
くされ縁でもある、『真選組』の屯所内にいる。
何でも『しんじゅく御苑』で起きた、大襲撃の件で。
『聞き取り調査』を、行うらしいのだ。
―――――と言っても、形だけらしいのだが。
そういう訳で眼前には、ゴリ・ニコマヨ・ドS王子の三人が鎮座している。
突然ゴリは私に向かって、「すまなかった!!」と勢い良く頭を下げて来た。
思わず驚きを隠せず、呆然としていたら。
「万事屋に力を借りたまでは良いが・・・・
まさか、おたくに重傷を負わせる形になってしまうとは――――真選組を代表して、謝罪する」
隊士でも無いのに私にまで、此処まで気遣う局長――――近藤勲。
「謝る事なんざねえよ、近藤さん。コイツだって一応妹君の用心棒として、あの場にいたんだ。
最悪の結果になる事だって、想定していた筈だ。
しかし・・・まさか山崎率いる、監察の目を掻い潜っていたとは――――流石に、予想出来なかった」
こんな憎たらしい台詞を吐くのは、紫煙を室内に燻らせているニコマヨ男だ。
「いや・・・・しかしだな、トシ。オレ達の力が、及ばなかった所為もある。
もっと十分に気を張るべきだったんだ」
気落ちするゴリを、慰める様に横からドS王子が口を挟んだ。
「まあまあ、近藤さん。とりあえずチャイナは、こうして無事にいるんだから。良しとしやしょうや。
―――っても、殆どオレ等は役立たずでしたがねえ。
星海坊主のオヤジさんが来てくれなかったら・・・・今頃は大惨事ですぜ?」
この台詞にゴリは、両腕を組んで思案顔になる。
「――――ああ。今でも、肝が冷える。あの時にあの人が現れてくれなかったら、
最悪の結果を招いていたに違いない。とにかく上様と妹君が、ご無事で良かった。
今回は松平のとっつあんからも、お咎めは無いみたいだし」
「そりゃそうだろ?てめえ自身が泥酔して、見も蓋も無かったんだ。
警察庁のトップがあれじゃあな――――で?もう傷の方は、良いのか?」
話題を変える様に、ニコマヨがこちらを見て問い掛けて来た。
「夜兎族を、なめんなヨ。こんな傷、屁でもないアル」