布団の中に隠れてしまった、想い人は。

小さく――――しかも、どもりながら。

朝の挨拶を、返して来た。

思わずその光景に、口から笑い声が生まれる。

――――昨夜。オレ達は、一つに繋がった。

念願だった事もあり。己の胸には、大層な『幸福感』が占めている。

――――のだが。

神楽の知らない『坂田銀時』を、思い存分発揮させてしまい。

『男』の顔を持ったオレを、コイツはどう思ったのだろうか?

布団の中に隠れるという、可愛い姿をまだ拝んでいたかったが。

初めての『経験』をさせた、心配が上回ったので。

横たえていた身体を、起き上がらせ。

徐ろに掛け布団のシーツを掴み、愛しい女の姿を露にする。

「うきゃあ!」

可愛らしいんだが、そうでもないんだかの悲鳴を上げ。

顔を真っ赤にさせながら、反射的に両腕を胸の前で交差させた。

白く美しい上半身が露見され、思わず喉元が鳴ってしまう。

昨晩全身で堪能した、神楽の全身は。

完璧とも言えるほどの、均整の取れた――――魅惑的な身体だった。

それが脳内に、浮かび出され。

早くもまた『理性』が、ぶっ飛びそうになる。

だが此処は敢えて、無理矢理抑えこむと。

「・・・・大丈夫か?身体の方」

「ん・・・・大丈夫アル。ちょっと――――痛むけど」

何処が?とは、聞けないが。ある程度は、想像出来る。

「―――悪かったな」

・・・・・少し、無理させ過ぎたかも知れない。

オレの謝罪の言葉に、女は頬を赤く染まらせたまま。

勢い良く首を左右に振ると、顔を僅かに俯かせ小声で何かを呟いた。

「―――――?何だ?」

「その・・・・うれし・・・・かった・・・・から」

豊かに発育した胸の前で、交差させていた片腕を伸ばし。

剥ぎ取られた掛け布団を、慌てて手繰り寄せる。

―――――ああ、お前ね。その姿で、その言葉は反則だろ。

折角奥へと抑え込んでいた『本能』が、理性を押し退けて目を覚ましちゃったじゃないか。

短く悲鳴を上げた愛しい女の上に、オレはまた覆い被さってしまっていた。






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※銀さん、再度『覚醒』。神楽ちゃん、ごめんなさい。(合掌)