「ええ、月に二度。店の経営状態を、チェックしに来るんです」

「・・・・へえ」

「へえって、知らなかったんですか?今まで」

驚愕の表情を、してくれちゃってるけど。

知るも何も。
オレを指名する、客の相手ばっかしてたし。
気付く訳ねえっての。

「まあ、来る時間は、ランダムなんですけどね。営業時間中だったり、閉店後だったり」

・・・・閉店後か。
『アフター』する事が、多かったからなあ。

それにしても。
アイツに気付かなかった。
自分も自分だが。

「声くらい、掛けろっての」

思わず、愚痴を零すと。

「無理ですよ。金さん、いつも指名されてますし。声を掛けれる状況じゃないでしょう?」

と・・・苦笑いで、新八が答えた。

「そういうお前だって、指名数多いじゃねえか」

ケツ顎はともかく。
コイツを求めて、来客する女性は結構多い。

「金さんには、到底及びません。―――――以前の様にいかなくなったなあ」

テーブルも、拭き終わり。
踵を返して、奥へと姿を消す。

それと、同時に。
入り口に備え付けられた、センサーが。
店内に鳴り響いた。

「?」

まだ、開店前なんだが・・・・。

視線を、入り口へと向けると。
そこには。

――――こんにちは」

プータローだったオレを、拾い。
『ホスト』の職を与えた、パトロン様の姿。

「お疲れ様です!」
ホストやヘルプ達が、両脇一列に並び頭を下げる。


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